第4話 【出会い 】
俺は帰宅するため赤波根駅に向かっていると、駅前で1人の女性が歌を歌っていた。俺はその美声に惹かれ、気がつくと曲が終わっていた。
「最後まで聴いてくださり有難うございます!」
そう言った顔は太陽のように明るかった。
「いえいえ、とても美しい声ですね!いつもここで歌ってらっしゃるのですか?」
「はい!毎日17:30~歌わせてもらっています。でも、皆さん全然聴いてくれなくて… 立ち止まって聴いてくださった方は今のところ貴方ぐらいです…」
俺は何故か心が痛んだ。こんなに一生懸命歌ってるのに… こんなに優しくて謙虚なのに…
「そうなんですか~。俺、毎日行きますよ!」
あっ、できないかもしない約束しちゃった…
第3話【 金に這い寄る者】
3年前 都内某所
新井拓馬は友人と飲みに赤波根に行っていた。
「最近仕事どう?」
「まぁ…ボチボチって感じかな。」
「そうか…俺も!」
「お前は歯医者だろ?ボチボチって言っても俺からしたら凄いよ」
「ピンキリだけどな」
友人は学生の時から頭がよかった。父親は外科医、母親は薬剤師という医者の息子だった。しかし、兄弟の中では出来があまり良くなかったそう。だから歯医者になったらしい。
「で、お前彼女できた?」
「できてないよ」
「そっか…彼女はいいぞー 可愛くってさー」
友人は昔からモテた。バレンタインの日なんて両手に紙袋持って部室へ来て
「お前らこれ食べていいよ!俺ひとりじゃ無理w」
なんてこと言ってたっけ。
「そういえばお前何で学生時代に彼女いなかったん?告白だってよくされてたのに」
「あぁ、それはね」
友人は少し暗そうな顔をして
「俺のどこが好きなのって聞くと全員口を揃えて「お金持ちだから」って言ってきたんだよ。」
「そうだったのか… 今の彼女はどうなんだ?」
「今の彼女は今までの女とは違う。」
「そりゃ良かったな。お幸せに~」
俺はどこがどんな風に違うのかが何となく分かる気がした。
それから2時間後、俺と友人は店を出て別れた。
第2話【妻(カナたん)との生活の為に 】
車内は常にカナたんの美声(Angelvoice)で満たされている。今日のBGMは「only.1」 この曲はなんといってもジャケ画がとても可愛い。あぁ^〜心が癒される~♪ 本当は最低でも3曲(約9~12分)聴きたいところだが、カナたんハウス(拓磨とカナの家。セ〇オワハウス的な)から勤務先の学校までは車で6分で着いてしまう。クソッ!
学校に着いたら最初に職員室に行く。それから身支度を整え、8時15分頃、3年×組へ行く。
×組は在籍数は38名と最近だと多い方かもれない。まぁ、今針中自体少子化の割にはマンモス校だからな。体育大会も毎年盛り上がるので指導者としてはやりがいを感じる。
俺は早速健康観察を始める
「朝倉」
「はい。元気でーす」
…
「渡橋」
「はい。元気です」
…
一通り朝の回を終えると次は読書の時間になる。俺は生徒がきちんと本を読んでいるかクラスを一周回り、俺も読書(西宮カナの写真集を眺める)を始める。
第1話【1日の始まり 】
「会いたくて×2震える~♪」
7時にアラームが鳴り1日の始まりを告げる。今日は確か放課後に職員会議があった気がする。なんで今日なんだよ… 今日はカナたんのアルバムの発売日なのに…まぁ、予約してあるから行っか。
「カナ、美味しいね♡」
と、いつものようにカナたん(ポスター)と一緒に頂く。カナたんは常にダイエット中(建前)だからあまり食べない。
「もう、カナたんはダイエットしなくても十分可愛いから大丈夫なのにぃ~。しょうがないなぁ~ 俺が夜食べるよ」
「ごめんねたく君♡ 大好き(拓馬の裏声)」
朝食の次は歯磨き&身支度をする。勿論Withカナたん。そして家中のカナたん`s(グッズ類)にハグ&キスをし
「行ってきます。カナ」
と言い出勤する。
あらすじ
新井拓馬(たくま)は幼い頃からスポーツが大好きだった。その為、中高生時代も部活に青春を捧げていたので恋愛経験は全くなく、独身。現在は今針(いまばり)中で体育教師をして生計を立てていた。
そんな彼の生活はある日を境に狂い始める。